a farewell note by radiohots

2019年10月にYahoo!ブログから移行しました。

『デラックスカタログ』、『5 -five-』/天野月子

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左:『デラックスカタログ』
右:『5 -five-』

女性シンガーソングライター:天野月子

デビュー5周年という記念の年である今年、
5年の歴史をコンパイルしたベストアルバムと、
5周年で企画されたシングル群のPV集がリリースされた。

『デラックスカタログ』は、
歴代シングル曲を網羅したDISC 1、
オリジナルアルバムからセレクトされたDISC 2、
PV集『V』以降にリリースされたシングルのPVを網羅したDVD(おまけつき)
を纏めたもの。
DISC 1において彼女の歴史が手に取るように分かるだろう。
そんな中で、新録の「Love Dealer-2006-」「おんがく」は古くからのリスナーにとっても
収穫であろう。
また、本盤には全編通してリマスタリングが施されており、
彼女の歌声が今までにも増して洗練された仕上がりとなっている。
このように、新旧のリスナー問わず受け入れる体制を形成しているところは
非常に好感を持てる。

『5 -five-』は、
先にリリースされた5枚同時発売のシングル、
「烏」「ウタカタ」「混沌-chaos-」「梟」「風船」
のPV集である。
半ば量産体勢だったシングル群。
勿論それぞれに「味」はあったが、どうも大味な印象が拭えなかったわけだが、
本作によりそういった誤解は見事に解消された。
5曲が互いにシンクロし合い、壮大なストーリー仕立てのPVとなっているのだ。
どのPVを眺めてみても、他のシングルとの関連性を追うことができるし、
なにより曲とマッチした映像群は、次第にリスナーの昂揚感を煽る。
各曲では彼女自らデザインした衣装も見物のひとつ。
1人で5人分を見事に演じ分けられる彼女のクオリティの高い「アクトレス」性を
堪能できる仕上がりだ。

私が思う天野月子の魅力というのは、
デビューから一貫して、「良くも悪くも変わらない」スタンスを守っているところにある。
もちろんその過程で一定の進化を遂げているが、常に「自然体」であるという部分に
非常に共感できる。

今後も彼女から目が離せない。

『デラックスカタログ』
~DISC 1~
01:箱庭
02:Love Dealer-2006-
03:B.G.~Black Guitar+Berry Garden~
04:菩提樹
05:スナイパー
06:Treasure
07:HONEY?
08:人形
09:鮫
10:蝶
11:月
12:イデア
13:翡翠
14:聲
~DISC 2~
01:青紫
02:日曜日
03:時計台の鐘
04:恋
05:龍
06:JOKER JOE
07:Stone
08:おんがく
~DVD~
01:「イデア」PV
02:「翡翠」PV
03:「聲」PV
04:「Love Dealer-2006-」PV
05:『5 -five-』メイキング映像
『5 -five-』
「烏」「ウタカタ」「混沌-chaos-」「梟」「風船」のPV集&メイキング etc.

※『デラックスカタログ』DISC 1のみを取り出した『カタログ』という作品もリリースされている。
 入門者(もちろんそうでない人にも)には最適かな?